災害リスク

都内の盛土の場所がわかる造成地マップを公開!詳しくマップを広げてみよう第2弾

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こんにちは。突然ですが、「造成地マップ」ご存じでしょうか?

「造成地マップ」 というのは、盛土がどこにあるか知ることが出来る地図です。

こちら、あまり知られていないのですが、令和2年3月30日をもってすべての地方公共団体で規模盛土造成地マップの公表がされました。
これは、結構すごいことですよね!国土交通省が地方公共団体に促して、全国が協力してくれた結果、完成することが出来ました。

大規模盛土造成地マップの公表状況等について(国土交通省より)

そして今回のブログは、「都内の盛土の場所がわかる造成地マップ! 第2弾」です。
詳しく地図を広げてみましょう。
ちなみに、盛土関連の記事については、第1弾から第3弾までの記事をアップ予定です。
是非、ご興味のある方、ご覧ください。

盛り土に関する記事

第1弾 「盛土って何? 盛土のリスク解説」

第2弾 都内の盛土の場所がわかる造成地マップ!詳しくマップを広げてみよう ←今回の記事

第3弾 隠れ盛土の存在知っていますか?(近日更新予定!)

東京都全域の盛土造成地マップ

では、さっそく東京都都市整備局から公開されている盛土を含む造成地マップを広げて詳しくみてみましょう。

盛土が多い地域、盛土が少ない地域、23区内のどこの区が多いのか、どの町内に盛土があるかなどを詳しくみていきましょう。

↓こちらが、東京都全体の盛土マップになります。

引用:PDF 盛土造成地マップ(東京都全域)(東京都都市整備局)

引用:盛土造成地マップ(東京都一部:23区外)(東京都都市整備局)

いかがでしょうか?パッとみるところ、八王子市、多摩市、町田市に集中しているように見えます。
23区は、ちらほらと点在している様子ですね。
まずは、東京23区外で目立った多摩市、町田市を見てみましょう。

多摩市の盛土造成地全体図

多摩市のGoogle mapと照らし合わせてみましょう。

驚くべきことなのですが、このマップによると、多摩市は国土の4分の1ほどが、盛土であるということになります。
また、盛土以外の土地は、ほぼ宅地造成工事規制区域ですね。

マップの読み方 緑色マークとクリーム色マークの違い

簡単に言うと緑色のところは盛土でクリーム色のところは盛土じゃないということです。

緑色のマーク部分は、谷埋め型の盛土です。

盛土造成地は2種類あります。

  1. 谷埋め型
  2. 腹付け型

クリーム色のマーク部分は「宅地造成工事規制区域」です。盛土ではありません
宅地造成を行う際には、災害が生じる恐れがある区域と考えられている箇所です。
ここに該当する区域で一定以上の切土・盛土の宅地造成工事を行う時は、都知事の許可が必要になります。

町田市の盛土造成地全体図

町田市のGoogle mapと照らし合わせてみましょう。

町田市は、国土の10分の1ほどが、盛土であるということになります。

また、多摩市と同様に盛土以外の土地はほぼ宅地造成工事規制区域ですね。

東京23区の盛土造成

ここからは、東京23区内も見ていきましょう。

拡大図:23区内

引用:盛土造成地マップ(東京都23区周辺)(東京都都市整備局)

地図をパッと見ると、板橋区、新宿区、世田谷区、大田区に、盛土が点在しているのがわかります。

よく見ると、渋谷区も何か所か点在してますね。

盛土が多い順

  1. 板橋区 29カ所
  2. 大田区 17カ所
  3. 港区  15カ所
  4. 世田谷区 15カ所
  5. 新宿区 13カ所
  6. 渋谷区 13カ所

となっています。

ここまでくると、盛土がどこの町内に存在しているか、調べたくなりますよね?
ビルや、高層マンションが立ち並ぶ新宿区、渋谷区に絞ってみていきましょう。

新宿(東京23区内)の盛土マップ

~新宿区の盛土の箇所~

↑全体図:新宿区の盛土の箇所

↑拡大図:全体図の黄色の〇丸囲みの方 引用:大規模盛土造成地マップ(新宿区)

盛土の住所:

・中落合 新目白通りと山手通りの交差点辺り

・薬王院の東と西に2か所 (西側は、下落合4丁目付近。東側は、新宿落合第4小学校付近) 

・下落合2丁目おとめ山公園の東側のおとめ山通りの東側の地域

グーグルマップと照らし合わせてみましょう 

https://www.google.com/maps/@35.7189401,139.6950101,17z

また、新宿区の別のエリアを見てみましょう。

↑拡大図:全体図の下の黄色の〇丸囲みの方

盛土の住所:

・戸山高校や学習院女子大と都営戸山ハイツの間付近

・戸山公園付近

・国立国際医療センターの辺り

よく調べると、この公開されているマップで、ある程度住所を特定できることがわかりましたね。
そして、大都会の新宿にも数カ所、盛土の記録があって驚きですね。

盛土がある場所にも、マンションやビルが普通に建っております。
建築確認の際に、もちろん基準値をきちんとクリアして建築されているとは思いますが、マンションを購入する際は、十分に下調べする必要はありますね。

続いては、渋谷区も見ていきましょう。

渋谷区の盛土マップ

~渋谷区の盛土の箇所~

↑全体図:渋谷区の盛土の箇所

引用:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/takuzou/pdf/takuzou03_k13.pdf

↑拡大図:渋谷区

盛土の住所:

・渋谷笹塚郵便局の西側で、笹塚2丁目-32付近、ファミリーマート笹塚二丁目、保育園うさぎとかめ付近
https://www.google.com/maps/@35.6741937,139.6647791,18.04z

・西原2丁目の独立行政法人国際協力機構 ジャイカ東京センター(JICA東京)付近
https://www.google.com/maps/@35.6733087,139.6756118,18.21z

今回、マンション名は記載しませんが、渋谷の盛土の上にも、マンションやビルが建っています。

住んでる人はここに盛土があることを知っているんでしょうか?
私なら事前に「この盛土マップ情報があれば…」って考えてしまいます。


もちろん、盛土が施されていると言って、全てが危ないわけではありません。
建築確認等の基準値はクリアされて建設されていると思いますが、ある程度リスクがあるならば盛土がされているされていないかを知っておくことも必要だと感じます。
知っているからこそできる対策もあると思います。

盛土リスク

谷などに土を盛って造られた「盛土造成地」は、地盤が軟らかい事、地質が違うことが原因で、大地震の際に揺れが大きくなったり地滑りなどが発生する危険性などがあります。

全国すべてで、大規模盛土造成地マップが公表されました。

国土交通省は、地方公共団体へ令和2年3月までに大規模盛土造成地マップを公表するよう取組を進めてきた結果、3月30日をもってすべての地方公共団体でマップの公表がされました。
「〇〇県 盛土マップ」で検索して見てください。都道府県ごとにまとめてあるものや、市、区ごとにまとめているものがあります。

今回は、公開されている造成地マップを広げて、掘り下げてみました。
実際に、新宿区や渋谷区をしらべてみると、普通のマンションやビルが建っていたり、公共施設が建っていて驚きました。
所有者は、買主には報告義務はありますが、これを聞くと、買主は契約を躊躇しかねません。
この機会に、消費者の不動産リテラシーも高めて賢いマンション購入をしたいものですね。

「Dr.Asset マンションリスク」で調べられること

マンションごとに、水害や地震について、調べられるサイトが弊社運営のマンションリスクです。

地震リスク:お住まいのエリアの建物倒壊危険度、火災危険度、災害時活動困難度、地盤分類のほか、地震発生予測、避難所情報など
水害リスク:お住まいのエリアの洪水発生時の浸水想定区域、海抜マップ、盛土造成マップなど
治安リスク:お住まいのエリアの直近1年の犯罪発生件数、個々の犯罪の内容、お近くの交番・警察情報など

Dr.Asset マンションリスク

マンションリスク 盛土に関するプレスリリース

https://www.dr-asset.jp/risk/

盛り土についての関連サイト

マンションリスク

盛土造成地マップ(東京都全域)(東京都都市整備局)

東京都 盛土造成地 一覧表(区市町村別)(東京都都市整備局)

重ねるハザードマップ

第2弾は、以上になります。

次回は、

「第3弾 隠れ盛土の存在知っていますか?」

隠れ盛土とは、戦前調査できなかった盛土などの造成地になります。詳しく、掘り下げられるところまで調査したいと思います。

ありがとうございました。

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