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2025/10/21

【2025年版】老後どうする?賃貸と持ち家の“安心リスク差”を検証

退職後の住まいをどうするか――。
これは人生の後半戦で最も大きなテーマのひとつです。
「ローンを完済した持ち家で安心に暮らす」か、
「自由に住み替えができる賃貸で軽やかに暮らす」か。

いまの日本では、どちらにも“見えないリスク”があります。
この記事では、老後の生活費・住居リスク・資産形成の3つの観点から、
「賃貸 vs 持ち家」どちらが本当に安心なのかを整理します。


老後の住まい、なぜ今から考える必要があるのか

総務省のデータによると、65歳以上の単身高齢者世帯は2025年に900万世帯を突破します。
そのうち、約4割が賃貸住宅に住んでいると推計されています。

しかし、年金収入の減少や高齢者単身化の進行により、
「家を借りられない」「家賃を払い続けられない」といった問題が急増。

また、持ち家でも安心とは限りません。
固定資産税や修繕費など、“住み続けるコスト”が想定以上にかかるのです。


賃貸の老後リスク――借りられない現実

高齢者が賃貸契約を結ぶ際、最も大きな壁になるのが「信用リスク」です。

課題内容
入居審査のハードル年齢・収入・健康状態を理由に断られるケースが増加。
保証人問題親族に頼れない人が増え、保証会社でも審査通過が困難に。
更新拒否のリスクオーナー側が“高齢者対応”を敬遠し、更新時に退去を求めるケース。
施設入居との二重費用将来、介護施設と賃貸を同時に契約してしまう“二重コスト”問題。

実際、東京都の調査では、高齢者の約3割が「入居を断られた経験がある」と回答しています。
つまり「老後に賃貸を借りる」という選択には、現実的な難易度が伴います。


持ち家の老後リスク――維持費という落とし穴

一方、持ち家派にも見逃せないリスクがあります。
老後は収入が減る中で、“固定費としての維持費”が重くのしかかります。

費用項目平均額(年)内容
固定資産税約10万円評価額に応じて毎年支払いが発生。
修繕・リフォーム約20〜30万円屋根・外壁・水回りなど、10〜15年周期で必須。
管理費・積立金(マンション)約12〜18万円築年劣化で年々上昇傾向。
保険・防犯費用約5万円火災・地震保険+防犯強化費用など。

持ち家はローン完済後も年間40〜50万円の維持コストが発生する計算。
「住宅ローンを払い終えたらタダで住める」というのは誤解です。


老後の支出シミュレーション:20年間でどう違う?

仮に65歳から85歳まで、東京都内で暮らすケースを想定します。

項目賃貸持ち家(ローン完済済み)
家賃または維持費月8万円×12ヶ月×20年=1920万円年45万円×20年=900万円
更新・修繕費約150万円約300万円
合計住居費約2070万円約1200万円

→ 持ち家の方が約870万円安い結果になります。
ただし、これは“ローン完済済み”を前提としたケース。
60代以降に購入した場合は、返済期間の延長や金利負担が逆転することもあります。


医療・介護と住まいの関係

老後の生活は、医療や介護との関係を避けて通れません。

  • 賃貸の場合:病気・介護を理由に退去を求められる事例が増加。
  • 持ち家の場合:在宅介護・リフォーム対応がしやすく、行政支援も受けやすい。

近年では、「自宅で最期まで暮らす」在宅医療モデルを選ぶ人が増えています。
バリアフリー化や介護リフォーム(100万円前後)を行えば、
安心して長く住み続けることが可能になります。


安心して暮らすための“住まい戦略”3パターン

パターン①:持ち家+リバースモーゲージ

自宅を担保に老後資金を借りる仕組み。

  • メリット:住みながら資金を得られる
  • デメリット:死亡後に売却が前提

固定収入が少ない世帯には有効な資金戦略です。


パターン②:賃貸+保証+貯蓄の三本柱

  • 家賃保証会社+見守りサービスを利用
  • 生活費を「年金+金融資産」で安定化
  • 老後に借りやすい物件を50代のうちに確保しておくのがコツ

パターン③:持ち家+賃貸のハイブリッド

近年増えているのが、
「地方の持ち家+都市の賃貸」を組み合わせる二拠点生活。

  • 医療や買い物が便利な都心部
  • 生活費が安い地方の自宅

どちらの良さも活かせる“柔軟な老後設計”です。


まとめ:老後の安心は「住まい+お金+支援体制」で決まる

老後の住まいにおいて重要なのは、“どちらが得か”ではなく、“どちらなら安心して暮らせるか”
その判断軸は次の3つです。

  1. 支出の固定化:持ち家なら固定費を可視化し、賃貸なら保証と貯蓄を確保。
  2. 住み替えの柔軟性:将来の健康・家族状況に合わせて柔軟に対応できるか。
  3. 地域の支援制度:高齢者見守り・家賃補助・介護サービスを調べておく。

どちらを選んでも、「今から備えること」こそ最大のリスク回避です。


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