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2022/06/28

リノベを前提とした中古マンション選びチェックすべきポイントとは?

「マンションリフォーム」「マンションリノベーション」「リノベ物件」最近さまざまなメディアで見ない日はないといってもよいほど注目されています。
自分もリフォーム(リノベーション)に挑戦してみたい!マンションを選ぶならおしゃれなリノベ物件が良い!と思われている方も多いと思います。
今回は、そんなマンションリフォームに関する記事です。

まず、リフォームとリノベーションってどう違うの?と思われている方も多いかと思いますが、基本的には同じ意味で使われることがほとんどです。
一昔前は、用途の変更をともなう工事(例えば住宅から店舗への変更など)のことをリノベーションと言ったりもしましたが、現在は部屋の内装の模様替えから間取りの変更、水回りの変更などなど、全て「リノベーション」あるいは「リフォーム」と呼ぶことが多く、大きな違いはありません。

そんなリフォーム(リノベーション)ですが、やはり最大の魅力は、築年数に関係なく新築のように綺麗な住まいを手に入れることができるという点と、自分の好みを反映させた理想の住まいを実現できるという点ではないでしょうか。今回は、マンション住戸を”自分仕様”にするための物件探しや気をつけるべきチェックポイントをご紹介します。

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ねらい目の築年数とは?

リフォームを前提とした物件探しをする上で、まず気になるのが築年数です。
マンション価格は、一般的に築年数に応じて築20〜25年までの間に落ちきり、それ以降は、徐々に下落していく傾向にあります。
中古マンションでいうと、一旦価格が落ちてくる築20年前後がねらい目になってきます。

築25年以上となると住宅設備機器は耐用年数を超え、建物自体も年々減価償却していき、住宅としての資産価値はどんどん0に近づいていきます。
もちろん敷地権の価値は残るので、住宅としての価値が落ち切った築20年〜25年以降の下落幅は緩やかになっていくということになります。

実際に、首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構) (PDF)をみてみますと、2020年の成約物件の平均築年数は21.99年となっており、ある程度価格がこなれてくるこの辺りが一つ狙い目になってきます。
そして、中古マンションの成約物件の平均築年数の推移を見てみますと、年々経年化していることがわかります。
約10年前の2010年の制約物件平均築年数が17.57年ですので、築古物件の人気が年々高まっていることがわかります。

令和4年度税制改正で、住宅ローン減税や贈与税の非課税措置の対象となる中古住宅の築25年以下という条件が撤廃されました。
住宅ローン減税などを活用するために築25年以下で物件探しをされていた方も多いと思いますが、今後ますますの築古物件人気が続きそうです。

そして、もう一つ、狙い目の中古マンションの条件としてあげられるのが、大規模修繕の有無です。
一般的に、マンションの大規模修繕工事は、10年〜15年の間隔で行われることが多いのですが、大規模修繕後であれば、共用部分の経年劣化によるトラブルや大規模修繕の準備の煩わしさがなく、安心して入居することができます。
また、修繕工事前に、修繕積立金が不足し修繕費が追加徴収されるということもありますので、入居後すぐに予想していなかった追加の費用がかかるというのを避けるためにも、ぜひ確認してみてください。

最後に、旧耐震基準と新耐震基準についてもご紹介します。
1981年6月に施行された改正建築基準法における新耐震基準により、1981年6月以前の建物とは耐震性能が大きく変わりました。もちろん新耐震基準の方が地震に強く安全な建物ということになります。
築40年以上の築古物件を検討の際は、注意が必要です。しっかりと確認の上、リスクを考えてご検討ください。

リフォームにかかる費用

そして、気になるリフォームにかかる費用ですが、新築戸建て住宅のように単価いくらと一概に言えないのが正直なところです。
ざっくりとした相場感でいうと、例えば80平米程度のスケルトンフルリフォームの場合、1,000万円〜といった感じでしょうか。

ただ、リフォームを行う範囲や使用する建材や設備、グレードによって大きく異なります。また、リフォーム業者によっても異なってきます。
リフォーム専門業者や大手ハウスメーカー系、設備メーカー系列など様々な業者がありますが、デザイン性にこだわりたい方は、設計事務所やデザイナーにデザインを頼むことも選択肢としてあります。

デザインを頼むと別途設計料がかかってきますので、あらかじめ予算に見込んでおく必要があります。
最近では、定額制や平米単価でのリフォーム業者も多いので、費用面やデザイン性などご自身にあったリフォーム業者を探すことができます。

また、リフォーム費用を借入する場合も、単体でリフォームローンを組む以外にも、物件取得費用と合わせて住宅ローンを組むこともできるので、早い時期にリフォームの費用面がはっきりとしてくるとその後の計画が立てやすくなるというメリットもあります。

マンション内見時の確認しておきたいチェックポイント

次は内見時のチェックポイントについてです。めぼしい物件が見つかったら、早速内見の申し込みをしましょう。
リフォーム前の物件は、不動産業者との競合となることも多いのでスピード勝負です。
条件の良い物件ほど早く売れてしまうのですぐに行動に移しましょう。
そこでリフォームに役立つ、内見時の物件チェックポイントをご紹介します。

床と天井

マンションの床には、直床と二重床という二つの種類があります。
直床とは、コンクリートの床に直接床の仕上げ材が張ってあるもので、二重床とはコンクリートの床の上に設備配管スペースなどを設け、その上にもう一枚床を作り仕上げ材が張ってあるものです。

よりリフォームに向いているのは、二重床タイプになります。
天井も同様に直天井と二重天井が存在し、一般的に二重天井の方がリフォーム向きとされています。
新築時のパンフレットなどがあれば記載されていることもありますが、現地での見分け方はなかなか難しく実際に叩いてみて確かめるのが良いでしょう。
また、フローリングなのに歩いてみるとふわふわした感触がある場合は、直床の可能性があります。
フローリングの裏に遮音性のスポンジが張ってあるためです。
また、室内の床の高さとバルコニーの床の高さが、ほとんど同じ場合も直床の可能性があります。
資料などで確認するのが一番ですが、現地でも目星をつけることもできるので内見時には確認してみてください。

窓まわり

まず、窓ガラスがペアガラス(複層ガラス)になっているかどうかをチェックしましょう。
ペアガラスとは、窓のガラスが二重にはめ込まれているもので、断熱性能が高く、防音性能も期待できるガラスです。

近年では、ほとんどのマンションに採用されていますが、築20年を超えてくると、ペアガラスが採用されていない物件も多く、板硝子協会の調査によると平成14年における新築マンションでの普及率は35%程度となっています。

参考PDF:複層ガラス/Low-E複層ガラスの普及推移

部屋全体の断熱性能に直結するのでぜひチェックしてみてください。また、サッシまわりや窓枠に結露跡がないかどうかも合わせてチェックしてみてください。

住宅設備

新しい住まい候補の内見時には誰しもワクワクします。窓からの景色を眺めたり、リビングの家具配置を考えてみたりしていると疎かになりがちなのが住宅設備の確認です。
もちろん設備機器ですので耐用年数があります。すでに壊れていたり不具合があれば、事前に告知がされると思いますが、引き渡し後しばらくして故障したということも珍しくありません。

特に確認したいのが給湯器です。給湯器が故障してしまうと、すぐに修理や交換してもらえるとも限りませんし、数日間家のお風呂に入れないなんてことにもなりかねません。

マンション全体の管理状況をチェック

そして、中古マンションを購入する上で重要なのが、マンションの管理状況です。
マンション管理の良し悪しは、資産価値にもつながってくる大変重要なポイントです。

共用部の清掃状況、エレベーター内の汚れ具合、駐車場や駐輪場の使われ方など、内見時に少しチェックするだけでそのマンションの管理状況や住人の雰囲気などがわかります。
また、エントランス近くやエレベーター内に掲示してある貼り紙にも注目してみてください。
管理会社からどのようなお知らせが掲示してあるのか、住人からどのようなクレームが発生しているのかなどがわかります。

そして、管理費や修繕積立金などの滞納金額があるかどうかなども、物件購入前に確認することができますので、気になる方は担当者に確認をしてみてください。

リフォームでできることできないこと

そしてついにリフォーム工事の計画をとなるわけですが、そもそもリフォーム工事で何ができて何ができないのでしょうか。
事前に知っておけば、物件を探す上でもリフォーム後のイメージがしやすくなります。

まず、間取りの変更に関してですが、基本的に自由に行うことが可能です。
水回りの位置などは多少制約がありますが、室内の壁や内装部分をまるまる取り壊し、空っぽの状態(スケルトンと言います)にしてから一から作り直すということもよく行われます。

ただし、建物の配管が収まっているパイプスペース(PSと表記されます)や、建物を支えている壁(耐力壁)は取り壊すことはできません。
一般的な間仕切り壁は、木や軽量鉄骨を骨組みにして作られていますが、耐力壁は鉄筋コンクリートで作られており厚みもありますので、新築分譲時のパンフレットや図面を見れば耐力壁があるかどうかを確認することができます。(最終的には、リフォーム業者さんや設計士さんに確認が必要です。)

一方、窓や玄関の扉、バルコニーなどは原則リフォームができません。
窓や玄関は共用部分となりますので、入居者が勝手に工事をすることは禁止されています。

例えば、窓のサッシを取り替えたり、玄関扉を塗り替えたりなどは、入居者の勝手な判断ではできませんので、どうしてもリフォームしたい場合は、管理組合と協議が必要となります。

また、気をつけたいのが、エアコンの取り付け位置です。
エアコンは、外壁に開けられた穴を通して室内機と室外機が配管で繋がっているので、外壁に開けられた穴の位置によってエアコンの取り付け位置は制約を受けることになります。
当然、外壁に新たに穴を開けることは原則的にNGなので、間取りを考える上ではしっかりと確認が必要となります。

マンション管理規約の確認

マンション管理規約のイメージ図
管理規約のイメージ図

さらに、細かい部分に関しては、マンションの管理規約に記載があります。
先程の玄関扉や窓などの共用部分と、入居者の専有部分との線引きや、リフォーム工事に関して必要な書類や手続きなどが定められています。
管理組合との手続きに時間がかかることもありますので、スケジュールをたてる上でしっかりと確認が必要になります。

また、床に使用する材料などは、下階への騒音トラブル防止のため、遮音性能などが決められていることも多いので、床材にこだわりたい方は、物件購入前にぜひ確認してください。

まとめ

いかがだったでしょうか。以上、リフォーム・リノベーションを前提とした物件選び時のチェックポイントでした。
リフォーム・リノベーションは、手間や時間もかかりますが、物件の資産価値を上げ、楽しく奥が深い分野です。リフォームを前提とした物件探しの全体像が少しでも掴んでいただければ幸いです。

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