AIによる不動産価格推定エンジン MER値3.36達成、業界最高水準の精度を実現
エステートテクノロジー社の分析精度向上プロジェクト 成果報告
不動産テックサービスの開発運用を行うエステートテクノロジーズが、各種サービスに用いる価格推定エンジンの大幅な精度向上に成功しました。これにより、不動産の価格推定において業界最高水準の精度を実現。
価格分析ツール「Dr.Assetチェッカー」、物件提案ツール「Dr.Assetレコメンダー」をご利用の皆様の資産形成に、一層貢献することが可能となりました。
背景
世界中の不動産テックサービス企業が、独自の価格推定エンジンを保有していますが、その精度はバラバラです。
価格推定エンジンの精度評価には、MER(median error rate)= 誤差の中央値と呼ばれる値を用います。
コロナで不動産市場の今後が注視されている中、価格推定の精度を向上させることは非常に重要です。
不動産テックサービスを提供する各社のサービスを当社の机上でサンプリングしたところ、MERは5%~15%と推測され、推定価格と実際の取引価格にかなりの乖離があるケースが散見されます。
また、分析しやすい不動産だけを分析し、誤差が少ないように見せているサービスもあれば、市場の不動産を数多く分析した結果、おのずと精度が低くなってしまっているサービスもあります。
このような中、ET社の価格推定エンジンは210万件に及ぶ市場の幅広い物件を分析しながら、業界最高水準の精度を実現しました。
具体的成果
自社の扱う物件だけでなく東京23区内210万件のマンションについて幅広く分析を行い無償でデータを提供する、エステートテクノロジーズの「Dr.Asset」シリーズにおいて、価格推定エンジンのMERを3.4にまで引き下げることに成功しました。
エステートテクノロジーズの「Dr.Asset」シリーズは、ビッグデータ解析研究の権威である東京大学大澤研究室を協働で開発を行っており、今回の精度改善プロジェクトは同研究室の長屋氏によって遂行されました。
Dr.Assetシリーズ
研究詳細
精度向上のポイントは、大きく以下です。
✔従来の価格推定エンジンの精度を総合的に評価することができる、精度評価ツールを開発した。
✔推定価格と成約価格との乖離が大きい物件を、地図上でプロットしたことにより、乖離が大きい物件が集まる地域や、その背景となる乖離の要因を突き止めることが容易になった。
例えば、乖離が大きい物件は、特定の地域に密集していたり、特定の築年数であったり、特定の平米数であったりする。そうした要因を突き止めることが容易になったことで、価格推定エンジンの精度改善について高速PDCAを回すことが可能になった。
✔ビッグデータ解析研究の権威である東京大学大澤研究室を協働で開発を行うことで、産学連携によりアカデミックな知識の集積および利活用が促進され、今回の精度改善プロジェクトは通常より深度の深いものになった。