タワマンと低層階のマンション災害リスクはどう違う?
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目次
タワマンと低層階のマンションの災害リスクはそれぞれ違う
「災害リスク」という観点で考えたとき「タワマン」と「低層階のマンション」でどのような違いがあるのか気になりますよね。
「タワマンだと地震で折れたりしない?」「低層階だと豪雨で浸水しそう…」など、それぞれに不安に思うことはあるはずです。
ちなみに地震でタワマンが折れるリスクは低いです。
そこで今回は「タワマン」と「低層階のマンション」の災害リスクについて解説します。
それぞれの災害リスクを把握した上でお住まいになる不動産を選んでみましょう。
まず大前提として「タワマン」と「低層階マンション」の災害リスクはそれぞれ異なります。
タワマンの災害リスク
- エレベーターの停止で生活が困難になる
- 地震の揺れが激しく家具などが倒壊する
- ライフラインの停止で生活に支障が生じる
- 避難場所の混雑
低層階マンションの災害リスク
- 豪雨や津波による浸水リスク
- 駐車場の車からの火災リスク
それぞれの災害リスクを把握して、必要な対策を講じる必要があるでしょう。
不動産を選ぶ際も上記の災害リスクを考慮した基準を持つ必要があります。
では、「タワマン」と「低層階マンション」の災害リスクについて、より詳しくみていきましょう。
タワマンの災害リスクとは?
タワマンの災害リスクには主に以下の4点が挙げられます。
- エレベーターの停止で生活が困難になる
- 地震の揺れが激しく家具などが倒壊する
- ライフラインの停止で生活に支障が生じる
- 避難場所の混雑
これらの点に注意をしながら生活を送る必要があります。
災害発生時にエレベーターが停止すると生活が困難になる
地震や豪雨災害などによって停電が発生し、エレベーターが停止すると生活に支障が生じます。
高層階で住んでいる人ほど階段での移動が大変で、避難や食料品などを運ぶ際にも苦労するでしょう。
非常用電源を備えたエレベーターのあるタワマンもありますが、使用時間に限りがあるため避難生活が長引くほど状況が悪化してしまいます。
地震の揺れが激しく家具などが倒壊しやすい
地震によってタワマンが折れたり、倒壊したりするリスクは非常に低いといえるのですが、高層階になるほど地震発生時に揺れが激しくなりやすいです。
高層マンションなぜ揺れが激しくなりやすいのかというと共振現象や長周期地震動が起きた場合です。
大きく横に揺れた場合を考えると、揺れが一番上の階に届く前に次の揺れが来ると最初の揺れがおさまりきる前に次の揺れが来てしまうため激しくなりやすいです。
共振現象の説明もにありますが、ブランコで遊んだ時にタイミングよく押してもらうと揺れが大きくなるのと似ています。
そのため、高層マンションだと家具や家電が倒壊してしまうリスクが考えられます。
物が壊れるだけであれば大きな問題にはなりにくいのですが、タンスや本棚といった大きな家具の下敷きになってしまうと深刻な被害となってしまいます。
ライフラインが止まると生活に支障が出る
災害の発生によって電気や水道といったライフラインが停止すると生活に深刻な被害を招いてしまいます。
直近の事例では、2019年に発生した台風によって武蔵小杉のタワマンが停電し、排水ポンプが使えなくなりました。
トイレが使えない状況が長く続き、上層階でトイレが使われると下層階で下水が逆流するといった事態も発生しています。
その他にも、タワマンは居住者数が多く、災害時にゴミが溜まることで異臭が発生する可能性もあります。
周辺人口が多く避難場所の確保に苦労する
タワマンは人口が密集する立地の良い場所に建設されていることが多いため、災害時に避難所が確保できない可能性が考えられます。
都心ほど避難スペースの確保が困難になるのですが、タワマンが乱立するような人口密集地区だと、その傾向がより色濃くでるので注意が必要です。
タワマンの災害対策はどうなっている?
ここまで読んで「タワマンって実は災害リスクだらけでは?」と思ったかもしれません。
しかし、「タワマン=災害に弱い」とは必ずしも言えません。
- エレベーター停止
- 揺れが大きくなりやすい
- 避難場所の確保が難しい
上記のうようなリスクが分かっている以上、タワマンではより災害対策が徹底されているという側面もあります。
では、タワマンにはどのような災害対策が行われているのか詳しくみていきましょう。
耐震免震構造
タワマンは建物の特性上、大きな地震にも耐えられるだけの耐震・免震対策を徹底しています。
高層階ほど地震発生時の揺れは大きくなる傾向にありますが、これもわざと揺らすことでエネルギーを逃す耐震構造の1つであり、こういった地震対策が施された上で建設されているため、倒壊などの心配はあまり必要ありません。
火災対策
タワマンの高層階だとはしご車が届かなかったり、避難がしにくかったりして危険と思われているかもしれませんが、火災発生時についても対策が行き届いています。
例えば、スプリンクラー設備を導入することで延焼を防止することができますし、壁やドアに防炎素材を使用するといった対策が行われているので安心です。
タワマンには火災が起きても燃え広がりにくい仕組みが充実しているため、充分にリスクを軽減することができています。
屋上にヘリポートがある
タワマンなどの高い建物には、緊急時にヘリコプターが離着陸できるスペースを屋上に設けることが法律によって定められています。
災害発生時に避難が困難になるイメージが強いタワマンですが、緊急時であっても屋上からの避難が可能です。
災害シミュレーションを徹底している
タワマンは建設される際に、徹底した災害シミュレーションが行われています。
各種調査や災害発生時のシミュレーションなど、検証を繰り返しながら審査に通過した上で建設がされるので、他のマンションよりも災害に強いと考えられるでしょう。
タワマンで暮らす場合のチェックポイントは?
ここまでの内容からタワマンで暮らす際のチェックポイントについてまとめていきます。
以下のポイントを確認しておいてください。
- 地震に備えて家具家電を固定する
- 耐震・免震構造で選ぶ
- 避難経路を確認しておく
- 避難場所のチェックをしておく
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
地震に備えて家具家電を固定する
タワマンは高層階ほど地震で揺れやすいため、家具家電の倒壊に備えなければなりません。
「背の高い家具を置かないようにする」「家具・家電を固定して設置する」「倒れても別の家具が支えるような配置にする」といった対策を行ってみてください。
耐震・免震構造で選ぶ
タワマンを選ぶ際は立地や室内だけでなく、耐震・免震構造についてもチェックしておきましょう。
地震に強く、揺れにくいタワマンほど災害発生時の被害を最小限に抑えられます。
避難経路を確認しておく
高層階に住むほど災害発生時の避難が困難になるため、前もって避難経路を把握しておきましょう。
具体的にどんな災害が発生した際には、どういったルートで避難するのかをパターン別に考えておくと良いですね。
避難場所のチェックをしておく
自治体のサイトなどをチェックして周辺地域の避難場所についても確認しておきましょう。
いざという時に避難場所が確保できないと困るので、近隣で避難が可能な場所を複数リストアップしておくのがおすすめです。
低層階のマンションの災害リスクとは?
次に、低層階のマンションの災害リスクについて解説していきます。
こちらで紹介するポイントとしては以下の通りです。
- 地震の揺れは高層階ほどではない
- 豪雨や津波による浸水リスクが高い
- 火災リスクには注意が必要
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
地震の揺れは高層階ほどではない
地震発生時の揺れに関してはタワマンの高層階ほど激しくはありません。
もちろん震度によりますが、家具などの倒壊リスクはタワマンよりも低いと考えられるでしょう。
しかし、中古マンションなどは特に耐震基準に関するチェックは必要です。
築年数の長い建物ほど古い耐震基準で建設されている可能性が高く、地震に対する倒壊リスクが高まります。
低層階のマンションに住む場合でも、耐震基準をチェックして地震に強い建物を選んでください。
豪雨や津波による浸水リスクが高い
低層階のマンションで注意すべき災害リスクが、豪雨や津波による浸水です。
特に、マンションの近くに河川や斜面などがある場合に、浸水や洪水といった水害による被害が深刻になりやすいでしょう。
火災リスクには注意が必要
地震発生時の火災リスクについても注意しなければなりません。
マンションでは1階が駐車場になっていることが多く、地震の発生によって車のガソリンに引火することで居住スペースにまで燃え広がるといった可能性も考えられます。
低層階のマンションで暮らす場合のチェックポイントは?
低層階のマンションでクラス場合は以下のポイントを確認しておきましょう。
- 周辺地域のハザードマップを確認する
- 損害保険の水害特約をチェックする
- 管理組合を通じて浸水対策を行う
では、それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
周辺地域のハザードマップを確認する
マンションの低層階で重点的に意識しなければならないのが「浸水リスク」です。
自治体のハザードマップを活用して、災害に対してどのような被害が生じる可能性があるのかを把握しておきましょう。
災害リスクをあらかじめ認識した上で、適切な避難経路の確保や迅速な災害対応ができるようにしてください。
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火災保険に加入する
低層階のマンションで暮らす上で水害リスクに備えるために「火災保険」に加入しておくというのもおすすめです。
水害補償が適用される火災保険に加入しておけば、建物や家財が水害で損害を受けた際に補償が受けられるので安心です。
管理組合を通じて浸水対策を行う
マンションの住民で構成する管理組合を通じて、必要な浸水に対する備えをしておきましょう。
例えば、止水版や土のうを用意しておいたり、電気室などに防水扉を設置したりなどが挙げられます。
さらに、大雨の際に排水がスムーズに行われるよう、ベランダや排水口/溝の掃除や整理を住民全体で行うのも大切です。
まとめ
タワマンと低層階のマンションの災害リスクについて解説しました。
それぞれで災害リスクが異なるため、住む場所の特性に応じた災害対策が必要となります。
立地や間取り、価格など不動産選びで重視するポイントは数多くありますが、今回の記事を参考に「災害対策ができているか」も含めて吟味してください。
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