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地盤分類・地形分類ってなに?何の地盤が強いかをご紹介!

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不動産選びの地盤知識!地盤分類とは?地形分類とは?

不動産選びで気にすべき点は、挙げればきりがないほどたくさんあります。
ただ、一つだけ確かなのは、どんな建物でも基本的に「地面の上に建っている」ということです。
不動産選びで重視すべき条件の中から「土地選び」は欠かせません。
家を建てるにも、すでにある建物を購入するにも、建物の安全性を左右する地盤の種類を知らずして選ぶことはできないのです。

今回は不動産選びで知っておくべき地盤の知識として、地盤分類や地形分類の基礎的な情報をご紹介します。

「地震に関する地域危険度測定調査」とは

東京の地盤を12種類に分類して公表する「地震に関する地域危険度測定調査」について解説します。
「地震に関する地域危険度測定調査」は、市街地の変化を表す建物などの最新データを加味するため、おおむね5年ごとに自治体によって行われるものです。
東京都は昭和50年11月の第一回からこの調査を行っており、エリアごとにランクに分けて評価しています。

ここで重要なのは、人気立地でも要注意のエリアは存在するということです。
12種類の地盤それぞれがどのような特徴を持ち、地震などが起こった際にどのように揺れるか(増幅率)、どのような被害が想定されるかを理解することはとても重要です。

「地盤分類」とは?

引用:PDF 地域危険度一覧表の見方-東京都都市整備局

地盤を知るために、まずは分類をまとめておきましょう。
東京の地盤を分ける12分類は以下の通りです。

地盤の分類地盤の説明
山地主に岩盤が露出した地区
丘陵固結した砂や泥の層が地下浅いところにある
台地1関東ローム層の下に砂礫層が分布する
台地2台地1よりローム層が厚く、下に比較的締まった粘土や砂層が分布する
谷底低地1凹地または浅い谷で軟弱層が薄い
谷底低地2沖積層の厚さが3m以上8m未満
谷底低地3沖積層の厚さが8m以上
沖積低地1多摩川中流域、地盤は主に砂礫
沖積低地2沖積層の厚さが10m未満
沖積低地3沖積層の厚さが10m以上25m未満
沖積低地4沖積層の厚さが25m以上40m未満
沖積低地5沖積層の厚さが40m以上
12種類の地盤分類(東京都)

土地は基本的に上の表のように12の地盤分類に分けることが可能です。
購入を検討する際は、その物件がどの地盤の上に建っているのか、そこにはどのようなリスクがどれくらいあるのかを理解したうえで検討することが大切です。

「地形分類」とは?

地形分類とは、簡単に言えば、地理で習う「山地」や「平野」、「扇状地」や「三角州」といった地形学研究でも用いられる分類です。地表面を「形態」や「構成物の性質」、「形成された時代」などで分類する方法です。

地形分類の基準は目的や用途によって都度変わりますが、基本的には国土調査法に基づき山地丘陵地や台地、低地などに大別されます。
必要に応じてそこからさらに細かく分けられますが、主に防災や土地開発の視点において分類され、成因的分類は確定されていないのが特徴です。

地図や現場を見て一般的にも理解しやすい土地形状も少なくありませんが、詳しくは地盤の情報も併せて綿密に調査する必要があります。
不動産選びをする際には、地盤分類と地形分類はどちらもとても大切な情報だと言えるでしょう。

参考:国土調査

主な地形分類の項目

主な地形分類項目にはどのようなものがあるか、まとめておきましょう。
見てわかるレベルの形態だけでなく、その成り立ちや性質なども含めて分類したもので、自然地形を人工的に改変した内容についても区分しているのがポイントです。

地形分類項目の説明
山地斜面など 山地や丘陵のほか、台地の傾斜地
変形地自然にできた崖のほか、地滑りなどでできた地形
台地、段丘台地や段丘面が更新世に形成されたもの、または完新世に形成されたもの
山麓堆積地形山間の谷底や谷の出口などに堆積した岩屑、風化土などの堆積地形
低地の微高地扇状地や自然堤防、砂州・砂堆・砂丘などのほか、天井川や天井川沿いの微高地
凹地や浅い谷台地や段丘、低地の微高地にあるが周りに比べて相対的に低い地形
低地の一般面谷底平野や氾濫平野、海岸平野、三角州、後背低地や旧河道など
頻水地形高水敷や低水敷、浜などのほか、湿地
水部河川や水涯線、旧水部
人工地形平坦化地や農耕平坦化地、切土地や盛土地、埋立地など、人工的に山地や丘陵地を整地した土地
大まかな地形分類

不動産選びで知りたい!「強い」土地とは?

さまざまな土地がありますが、不動産選びで最も重要なのは、もちろんその土地がどれだけ「強い」かということです。
土地は条件が同じものはなく、一概にどういった土地が強いとは厳密には言えません。
自然だから強い、人工的に手を入れたから強いと言い切れるものでもなく、最終的には一つひとつ調査し、検証しなければならないものです。
ただ、一般的にどのような土地にどのような特徴や傾向があり、リスクやベネフィットが予測できるかを理解することはとても重要です。
ここではそれぞれの地形を地盤とあわせて一般的に検証し、どのような強さが期待できるかをまとめておきましょう。

山地の地盤

山地は一般的に標高500m以上の山間部地帯を指しますが、周囲の土地より突出した土地も含むため、相対的には標高の低い丘陵地域も含むことになります。
山間部は起伏が多いため、そのままの土地に建物を建造するのには適しません。

火山地帯周辺などは特に起伏が多く、中には地層の弱いエリアも存在することは理解しておきましょう。
建物を建造するには切土や盛土で土地を造成するのが一般的です。
ただし、こうした人工的な地盤は、どうしても不安定になるリスクがあるため、場合によっては地盤改良工事で補強する必要が生じる場合があります。

谷すじの埋立地周辺は、不同沈下リスクにも注意してください。
比較的地盤が強いとされるのは切土主体の宅地です。

台地の地盤

台地のメリットは地盤リスクの低さです。
歴史的に低地より形成時期が古くなるのが一般的で、標高が高い台地は非常に強い土地だと言えるでしょう。
人気の高い高級住宅地などの中には、形成からすでに1万年以上経過する古い地歴を持つエリアもあります。
形成から長い年月が経過していると地震に強いだけでなく、高台のため河川氾濫など水害リスクも低いことから、不動の人気物件になっています。

特に関東ローム層は火山灰質の粘土で地震時にも液状化リスクがほとんどなく、地盤としても地形としても強いと言えるでしょう。

扇状地の地盤

地理で習う通り、扇状地は山地から平地にかけて広がった土地です。
山から流れる河川が砂や小石などを運び、それが山と平地の接合部分に堆積しています。
メリットは礫層が震度の浅い部分にできていることです。
地震などの揺れには比較的強い地盤なのですが、注意は雨で洪水が発生した場合や、土石流などの自然災害のリスクがゼロではないことです。

三角州の地盤

三角州は川が運んだ粘土や砂が河口付近に堆積してできた土地です。
その名の通り、低く平らで三角形のエリアになりますが、自然堤防や氾濫原(氾濫によって運ばれたものの堆積地)などになるのが一般的です。

三角州の特徴として、地質が砂や粘土のため、どうしても山地や台地より軟らかく弱い地盤になることは否めません。
地震時には揺れやすく、もともと河口近くであることから、ゲリラ豪雨や台風などによる水害が起こった場合、どうしても水害リスクが高くなる傾向があります。

自然堤防の地盤

三角州の項でも触れましたが、自然堤防は河川に運ばれた砂や小石が堆積してできた土地です。
多くは川の流れに沿った帯状で、周囲の土地より少し高くなることから自然堤防と呼ばれています。
三角州と同様に、山地や台地に比べれば軟らかい地盤なのですが、砂や小石の堆積層は締まるため、条件によっては安定した強さを発揮できるエリアです。

排水性に優れることで自然堤防として残るため、水捌けの良さをメリットとして集落に利用されている場合も少なくありません。
もちろん河川の氾濫などによる水害リスクはありますし、地震による液状化リスクも留意が必要です。

埋立地の地盤

埋立地は人工的に造られた地盤の代表格と言えるでしょう。
主に沼地や河川、海岸線などが埋め立てられ、周囲の土地レベルに合わせて人の手で造成した地盤となります。
人工造成地はどうしても自然地盤に比べると弱くなることは否めません。
現在は建築技術の進化によって工法が発展し、高層ビルの建設も可能になるほど十分固められた土地ももちろんあります。
元は水辺であったこと、土地の大元にはそうした自然環境が残っていることなどを加味したうえで、地震による液状化やゲリラ豪雨などによる水害のリスクには備えましょう。
あらかじめ以前の土地状況や利用状況、埋め立てに用いた工法などを調べ、納得できる物件かどうか検証することは必須です。

必要なら地盤補強工事も

不動産選びで土地が重要だということは、多くの方がすでにご存知でしょう。
安全性が高いとされ、多くの人が購入を希望する人気の立地の中にもリスクのあるスポットは存在します。
最も安心なのは硬質地盤を選ぶことですが、だからといって比較的弱い地盤には建設物が建てられないというわけでは決してありません。
一番大切なのは購入前に地盤調査などを行い、必要であれば適切な地盤補強などを施すことでリスクを抑えることです。
本来の地盤調査は単なる機械調査ではなく、資料もあわせて地形考察し、周辺観察などを行って総合的に土地を調べることです。
そのうえで、地盤補強工事などを施せば、本当に安心できる建築物を建てることができるでしょう。

まとめ

不動産選びで大切なのは、地盤と地形です。
それぞれには適した分類と判断方法がありますので、地盤と地形の情報をきちんと調べたうえで購入を検討することが大切です。
地形とともに地盤の強さもきちんと理解し、土地の強さをイメージできる物件を選びましょう。
また、必要であれば調査を行い、補強工事なども実施する姿勢が重要です。
人気の立地でもリスクはエリアごとに変わりますので、気になるエリアの地盤の安全性はしっかり確認しましょう。

下記の【マンションリスク】マンションごとに、何の地盤分類に建物が建っているか簡単に調べられます。

令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成

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