この記事の要点
- 賃貸で猫と暮らしたいなら、まず「ペット可(猫可)」の物件から探しましょう。国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、猫の飼育は貸主の書面による承諾が必要な行為とされています。
- ペット可の物件は多くありません。大手不動産情報サイトの調査では、掲載中の賃貸のうちペット可は19.3%(2025年3月時点)でした。だからこそ、家賃・広さ・エリアの優先順位を先に決めておくと探しやすくなります。
- ペット可でも、飼える動物の種類・数・大きさや、退去時の原状回復の扱いは物件ごとに違います。契約前に条件を書面で確かめましょう。
実家暮らしから一人暮らしへ
マンガの桜ちゃんは、ずっと実家暮らし。一人暮らしに憧れています。
国立社会保障・人口問題研究所の調査では、18〜34歳の未婚の正規の職員のうち、親と同居している人は男性で59.6%、女性で66.1%でした(2021年)。桜ちゃんのように、実家で暮らしながら働いている人は珍しくありません。
未婚者が対象。父母の少なくとも一方と同居していれば「同居」と数えています。
出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」図表10-2-1
猫を飼いたいのに飼えない理由、1位は「集合住宅で禁止」
一人暮らしでやりたいことは、猫のめめちゃんと暮らすこと。でも、猫を飼いたい人の前には、住まいの壁があります。
ペットフード協会の調査で、猫を飼っていないけれど今後は飼いたい人に、飼っていない理由を聞くと、最も多かったのは「集合住宅に住んでいて、禁止されているから」でした。
現在猫を飼っておらず、今後飼いたい人(737人)への調査。インターネット調査をもとにした推計です。
出典:ペットフード協会「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」
この理由を挙げた人の割合は、20代で46.4%、30代で38.3%と、若い世代ほど高くなっています(20代は97人、30代は133人への調査)。
猫と暮らすなら、まず「ペット可」から
マンガで蓮さんが最初に挙げたのは「ペット可の物件」でした。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、犬や猫などの動物を飼うことは、貸主の書面による承諾がなければしてはいけない行為の一つとされています。環境省のガイドラインも「借家や社宅などの場合は、所有者の許可が必要です」としています。
そのうえ、ペット可の物件は多くありません。不動産情報サイト LIFULL HOME’S の調査では、掲載されている賃貸のうちペット可は19.3%でした(2025年3月時点)。猫と暮らしたいなら、最初に「ペット可(猫可)」で絞り込み、その中から条件を比べるのが近道です。
大家がペット不可にする理由
では、なぜペット不可の物件が多いのでしょうか。LIFULL の調査で、不動産会社がオーナーから聞いた「ペット不可」の理由は、「物件の破損や汚れで、修繕費や回復期間が長くなる可能性があるため」が74.2%で最も多くなっていました。
ペット不可の理由をオーナーから聞いたことがある不動産会社(89社)への調査。民間企業の調査で、大家本人に聞いたものではありません。
出典:株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」(2025年5月)
国土交通省の原状回復ガイドラインでも、ペットによる柱やクロスのキズ・臭いは「賃借人負担と判断される場合が多い」とされています。貸す側が慎重になるのは、退去後の修繕を心配するからです。
家賃・広さ・エリアを整理する
ペット可で絞り込んだら、次は蓮さんの言う「家賃に、広さに、エリアに…」の整理です。
国土交通省の調査で、民間の賃貸住宅に入居した世帯が住まいを選んだ理由は、「家賃が適切」が45.8%で最も多く、「立地環境」「交通の利便性」が続きました。
三大都市圏で令和6年度に民間賃貸住宅へ入居した世帯(590世帯)への調査。選択肢にペットの項目はありません。
出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」
ペット可の物件は数が限られるので、全部の条件を満たす部屋はなかなか見つかりません。どれを優先し、どれなら譲れるかを先に決めておきましょう。
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「ペット可(猫可)」で絞り込む
物件サイトの条件で絞り込みます。「ペット相談」の物件は、猫を飼えるかを先に問い合わせましょう。
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家賃・広さ・エリアの優先順位を決める
ペット可の物件は数が限られます。譲れない条件と、譲れる条件を分けておきます。
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飼える条件を確かめる
飼える動物の種類・数・大きさは物件ごとに違います。猫を飼えるか、何匹までかを確認します。
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契約で書面に残す
猫を飼うことの承諾や、敷金・特約(退去時のクリーニングなど)を、契約書や書面で確かめます。
出典:国土交通省「賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版)」第8条・別表第2、環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」。手順は一般的な流れで、実際の条件は物件と契約によります。
契約前に確かめたいこと
ペット可の物件でも、条件は物件ごとに違います。契約の前に、次の3つは確かめておきましょう。
飼える条件
物件ごとに違う
- 猫を飼えるか(犬だけのこともある)
- 飼える数・大きさの制限
- 管理規約や使用細則の決まり
承諾と特約
書面で残す
- 猫を飼うことの貸主の承諾
- 敷金の上乗せや、退去時のクリーニングなどの特約
- 口約束で済ませない
退去時の原状回復
借りる人の負担になることがある
- 柱・クロスのキズや臭いは借りる人の負担と判断される場合が多い
- 爪とぎや粗相への対策を考えておく
- 入居時の部屋の状態を写真に残す
原状回復ガイドラインは一般的な目安で、実際の扱いは契約の内容(特約を含む)で決まります。
出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」別表1、「賃貸住宅標準契約書」
猫と暮らすときの注意
- 室内で飼う:環境省のガイドラインは「猫は室内で飼うのが基本」としています。
- 近所に配慮する:鳴き声や臭い、共用部分(ベランダなど)の使い方に気をつけます。
- 無断で飼わない:ペット不可の物件で飼うと、契約の違反になるおそれがあります。
夢と条件と、猫の基準
部屋探しは、夢と条件のすり合わせです。桜ちゃんの「猫と暮らしたい」という夢に、蓮さんは「まずペット可」と条件を整理し始めました。そして想像の中のめめちゃんは「日なたがあれば、どこでも」。猫と暮らす部屋を探すなら、日当たりのいい窓辺も、条件に加えてみてはいかがでしょうか。
前の章では、桜ちゃんが蓮さんの「大家さん」の顔を知りました(第2話「住んでほしい人」)。
出典
- 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」報告書(2023年8月)PDF・図表10-2-1のデータ(確認日:2026-10-11)
- ペットフード協会「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」ペット飼育の阻害要因_猫 PDF(p.128、確認日:2026-10-11)
- 株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」2025年5月29日 PDF(確認日:2026-10-11)
- 国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査 報告書」2026年7月 PDF(p.22、確認日:2026-10-11)
- 国土交通省「賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版・連帯保証人型)」PDF(第8条・別表第2、確認日:2026-10-11)
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」平成23年8月 PDF(別表1、確認日:2026-10-11)
- 環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」平成22年2月 PDF(確認日:2026-10-11)