この記事の要点
- 猫と暮らす部屋は、写真だけでなく間取り図で選びましょう。まず見るのは、玄関・廊下とリビングの間に扉があるか。玄関を開けたときの飛び出しを防ぎやすくなります。
- 間取り図では、扉のほかに日当たり・窓辺・運動・上下運動・隠れ家の様子も読めます。猫目線の6つの視点で見比べると、迷いにくくなります。
- 間取り図は判断の手がかりです。飼える条件は物件ごとに違うので、内見と契約の前に確かめましょう。
猫は室内で暮らす。だから間取りが大事
マンガの桜ちゃんは、広い部屋 A と日当たりのいい部屋 B で迷っていました。猫と暮らすなら、もう一つの物差しがあります。猫の目線です。
環境省のガイドラインは「猫は室内で飼うのが基本」としています。ペットフード協会の調査でも、外に出ない猫の平均寿命は16.23歳で、外に出る猫(15.12歳)より長くなっていました。一日のほとんどを部屋の中で過ごすからこそ、部屋の造りが猫の暮らしやすさに関わります。
飼い主への調査から算出した、2つのグループの平均の差です。外に出ないことだけが理由とは言えません。
出典:ペットフード協会「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」
賃貸は、猫を飼いたい人が多く、飼っている人が少ない
同じ調査で住まいの形別に見ると、猫を飼っている人の割合は、持ち家の10.5%に対して賃貸は6.6%でした。一方、いまは飼っていないけれど飼いたい人は、持ち家の4.1%に対して賃貸は7.2%と、賃貸のほうが多くなっています。
個人への調査をもとにした推計です。猫を飼いたい人(現在飼っていない人のうち)は、持ち家4.1%、賃貸7.2%でした。
出典:ペットフード協会「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」居住形態別 現在飼育率・飼育意向率
飼いたい気持ちはあっても、猫と暮らせる部屋を見つけるのは簡単ではありません(第4話「ペット可なのに!?」)。せっかく見つけたペット可の部屋だからこそ、猫に合うかを間取り図で確かめておきたいところです。
まず見る:玄関とリビングの間の扉
マンガの2コマ目、間取り図 A ではリビングから玄関までが一続きで、めめちゃんが外へ飛び出してしまいました。環境省のガイドラインも、ドアのすき間から逃げ出さないよう戸締まりに気をつけるよう呼びかけています。
間取り図では、扉は記号で描かれています。見分け方を覚えておくと、図面だけで扉の有無が分かります。
開き戸
扉として仕切れる
- 壁の切れ目から、弧(4分の1の円)を描く線
- 弧は扉が開く向きを表す
- 玄関とリビングの間にあると安心材料になる
引き戸
扉として仕切れる
- 壁に沿って重なる短い線
- 矢印で開く向きが描かれることもある
- 猫が前足で開けることもあるので、閉め方にも注意
扉がない
仕切れない
- 壁の切れ目だけで、弧も線もない
- 玄関から部屋まで一続きになっていることがある
- 襖(ふすま)も猫が開けたり破ったりしやすく、仕切りとしては頼りにくい
記号の描き方は図面によって少しずつ違います。気になるところは、内見で実際の扉を確かめましょう。
猫目線の6つのチェックポイント
扉のほかにも、間取り図と写真から読めることがあります。猫と暮らしやすい部屋を見るときの6つの視点をまとめました。
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間取り(扉と仕切り)
見るところ:玄関・廊下とリビングの間に扉があるか。扉で仕切れる部屋があるか(来客時や留守のときに猫を落ち着かせられる)
気にしたいサイン:玄関から部屋まで一続きで、扉の記号がない
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窓辺
見るところ:猫が座って外を眺められる造りか。窓台の奥行き、腰の高さの窓、出窓、掃き出し窓の前の床
気にしたいサイン:外に面した窓のある部屋が少ない
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日当たり
見るところ:窓の位置・大きさ・数と、物件概要の方角から、床に光が届く場所がありそうか
気にしたいサイン:窓が北側だけ、窓のない部屋が多い。ただし図面だけでは断定できない
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運動
見るところ:家具を置いても残る、まとまった床。直線で走れる長さ。部屋どうしのつながり(一周して戻れる「回遊」)
気にしたいサイン:細かく区切られて床が細切れ。行き止まりばかり
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上下運動
見るところ:猫が上り下りできる高さを作れるか。壁の広さ、天井の高さ、造り付けの棚や段差
気にしたいサイン:家具を置ける壁が少ない。棚を付けるなら壁の穴の扱いに注意(第2話)
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隠れ家
見るところ:造り付けの隠れられる場所。押入れ、クローゼット、収納の下段、奥まった凹み
気にしたいサイン:収納が少なく、猫が落ち着ける奥まった場所がない
6つの視点は、日当たりと窓辺は写真、運動・隠れ家・扉は間取り図、というように、見る資料が少しずつ違います。間取り図と写真の両方を見比べるのがおすすめです。
上下運動のためにキャットウォークを壁に付けたくなったら、第2話「住んでほしい人」の「壁に穴を開けるなら、先に相談」を思い出してください。賃貸では、突っ張り式のキャットタワーなど、壁に穴を開けない方法もあります。
猫目線で物件を探すなら:幸せ猫の住まいギャラリー
この記事と同じ6項目で、猫と暮らしやすい部屋を探せるサイトがあります。掲載は購入向けの中古マンションですが、写真と間取り図を見る練習にもなります。
www.dr-asset.jp/cat
幸せ猫の住まいギャラリー
猫と暮らしやすい中古マンションを、日当たり・窓辺・運動・上下運動・隠れ家・間取りの6項目で猫の目線から見て、AIが選んで紹介しています。
サイトを見る →- 猫暮らしスコアは AI による参考評価で、不動産鑑定評価や価格査定ではありません。
- 猫を飼えるかどうかや、頭数・大きさの制限は、物件ごとの管理規約で確かめる必要があります。
間取り図だけでは分からないこと
間取り図で選んだ部屋も、暮らし始める前に確かめたいことがあります。
- 飼える条件:猫を飼えるか、何匹までか(第4話)。
- ベランダ:マンションのベランダは共用部分のことが多く、環境省のガイドラインは犬や猫を出さないよう呼びかけています。
- 床:フローリングは猫には滑りやすいことがあります。
- 退去時の原状回復:ペットによる柱やクロスのキズ・臭いは、借りる人の負担と判断される場合が多いとされています(第3話)。
ベランダや窓の網、床、爪とぎへの備えなど、入居してからの注意は、次の機会にくわしく取り上げます。